07 2025.05

「ふるさと納税」熊本市は約1億2500万円の赤字 寄付額の増加が控除額に追いつかず - TBS NEWS DIG

「ふるさと納税」制度は、全国の自治体への寄付を通じて地域を応援し、返礼品を受け取れる人気の仕組みです。しかし、この制度が思わぬ形で地元自治体の財政を圧迫するケースも出ています。熊本市では、2023年度にこのふるさと納税制度が原因で、約1億2500万円もの財政赤字を計上したことが明らかになりました。

・ふるさと納税の仕組みと熊本市の現状
ふるさと納税は、寄付者が選んだ自治体に寄付を行うことで、その寄付額の一部が居住地の住民税などから控除される制度です。これにより、寄付者は実質的な自己負担額(通常2,000円)で魅力的な返礼品を受け取ることができます。
一方で、寄付を受けた自治体は収入が増えますが、寄付者の居住地である自治体は、住民税の控除により税収が減少します。

熊本市で今回発生した赤字の主な原因は、この税収減にあります。熊本市民が他の自治体へふるさと納税を行ったことで、熊本市が徴収できるはずだった住民税が控除され、その減収額が約1億2500万円に達したのです。

・寄付額の増加が控除額に追いつかず
問題は、熊本市自身が他の地域から受け入れたふるさと納税の寄付額が、熊本市民が他市町村へ寄付したことによる住民税の控除額(税収減)を上回らなかった点にあります。つまり、熊本市への寄付は増えたものの、市民が他地域へ寄付することによる税収減の方が大きかったため、結果として市全体の財政はマイナスとなってしまったのです。

この状況は、ふるさと納税制度が持つ「税源移転」という側面が顕在化した形と言えるでしょう。魅力的な返礼品競争が激化する中で、寄付を受け入れる側としてだけでなく、税収が流出する側としての自治体の財政運営にも大きな影響を与えている実態が浮き彫りになりました。熊本市の事例は、多くの自治体が直面する可能性のある、ふるさと納税制度の光と影を映し出しています。