07 2025.11

9月の消費支出実質1.8%増加 ふるさと納税の駆け込みが押し上げ - 朝日新聞

9月の家計消費が堅調に推移し、実質で前年同月比1.8%の増加を記録しました。これは、消費支出が回復基調にあることを示す明るい兆候として注目されています。

・消費支出の増加とその背景
総務省が発表した家計調査によると、2人以上の世帯における9月の消費支出は、物価変動の影響を除いた実質ベースで1.8%増となりました。消費支出は景気の動向を測る上で重要な指標であり、今回の増加は経済活動に一定の活気が戻りつつあることを示唆しています。特に、食料品や交通・通信費など幅広い項目で支出が増加したと見られます。

・ふるさと納税の「駆け込み」が押し上げ要因に
この消費支出増加の大きな要因として挙げられているのが、ふるさと納税の「駆け込み需要」です。近年、ふるさと納税制度はたびたび見直しが行われており、寄付者側にとっては、制度変更前に「より有利な条件で利用したい」という心理が働きます。そのため、9月中に駆け込みで寄付を行う動きが活発化したと考えられます。ふるさと納税は、実質的な自己負担2,000円で地域の特産品などの返礼品を受け取れるため、寄付という形をとりながらも、実質的には「消費」を促す側面があります。この駆け込み需要が、9月全体の消費支出を押し上げる形となりました。

・今後の消費動向
ふるさと納税による一時的な押し上げ効果があったとはいえ、全体の消費支出が増加したことは前向きなニュースです。しかし、この駆け込み需要が落ち着いた後、消費がどのように推移していくかが今後の焦点となります。物価上昇や賃金動向など、様々な要因が絡み合う中で、家計の消費マインドが持続的に上向くかどうかが注目されます。