27 2025.08

(社説)ふるさと納税 抜本是正 踏み出すとき - 朝日新聞

### ふるさと納税制度、今こそ抜本的な見直しを

寄付を通じて好きな自治体を応援できる「ふるさと納税」は、多くの人々にとって魅力的な制度として定着しています。地域の特産品を返礼品として受け取る喜びや、税金が直接地域に役立つ実感は、制度の大きな魅力です。しかし、この制度が抱える課題もまた深刻化しており、朝日新聞の社説は、今こそ「抜本的な是正」に踏み出すべきだと強く訴えかけています。

・ **制度の趣旨と現実の乖離**
本来、ふるさと納税は「生まれ故郷や応援したい地域に貢献する」という理念のもと始まりました。しかし、現状は高額な返礼品競争が過熱し、寄付の多寡が返礼品の魅力に大きく左右される状況にあります。これにより、本来の趣旨である「地域への貢献」よりも「お得な返礼品探し」が前面に出てしまうケースが少なくありません。社説は、この現状が制度の本来の目的から逸脱していると指摘しています。

・ **自治体間の格差と税収の偏り**
返礼品の充実度競争は、財政力のある自治体や魅力的な特産品を持つ自治体に有利に働き、寄付が特定の地域に集中する傾向を生んでいます。その一方で、都市部を中心に多額の税収が流出し、住民サービス維持に支障をきたす可能性も指摘されています。この税収の偏りは、地方交付税などで補填されるとはいえ、制度の公平性に対する疑問を投げかけ、自治体間の健全な発展を阻害する要因となりかねません。

・ **持続可能な制度への転換**
社説は、こうした課題が制度の持続可能性を脅かしていると警鐘を鳴らしています。単なる小手先の修正ではなく、寄付の上限額や返礼品の基準、自治体間の競争のあり方など、制度の根幹に関わる議論を深めるべき時期に来ているのです。国民が納得し、自治体が健全に発展できるような、真に地域を支える制度へと進化させるために、今こそ大胆な見直しが求められています。