ふるさと納税の寄付額が前年同月の5倍にポイント付与廃止直前の9月に“駆け込み寄付”が急増

ふるさと納税制度において、2023年9月の寄付額が前年同月と比較して驚異的な5倍に急増したことが明らかになりました。この大幅な増加は、特定の制度変更が迫っていたことによる「駆け込み寄付」が主な要因と見られています。

・ポイント付与廃止が引き金
多くの自治体で実施されていた、ふるさと納税の寄付に対するポイント付与制度が、2023年10月からの制度改正に伴い廃止されることになっていました。この変更は、寄付者にとって返礼品に加えて「お得感」を享受できる機会が失われることを意味するため、廃止直前の9月に、このメリットを最大限に活用しようとする動きが活発化したと考えられます。

・前年比5倍の驚異的な伸び
具体的な数字として、前年同月の寄付額と比較して5倍という急増は、制度変更が納税者の行動にどれほどのインパクトを与えたかを示しています。多くの人々が、改定前に少しでも有利な条件でふるさと納税を済ませようと、一斉に寄付を行った結果と言えるでしょう。

・納税者の「お得」を求める心理
ふるさと納税は、実質2,000円の自己負担で魅力的な返礼品を受け取りつつ、応援したい自治体に貢献できる制度として広く浸透しています。これに加えてポイントが付与されることで、さらに寄付の魅力が増していました。そのポイントが付与されなくなるという情報が広まるにつれて、賢い納税者たちは廃止前に利用を集中させ、結果として記録的な寄付額の急増につながりました。

・今後のふるさと納税の動向に注目
今回の駆け込み需要は、ふるさと納税が持つ経済効果や、制度変更に対する国民の関心の高さを示すものとなりました。ポイント付与廃止後のふるさと納税が今後どのような推移を見せるのか、引き続き注目が集まります。